2015年08月27日

絵本創作のおはなし

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「ひげのさきまであったかいもの」用撮影見本
<石粉粘土、毛糸、和紙他>

写真は、絵本「ひげのさきまであったかいもの」のために
裏表紙の見本として自分で撮影した一枚です。
(最終的に絵本には他の場面を使用しました)

当初この絵本はオイルパステルで描くつもりでした。
それが、絵本のラフをみた編集Uさんの
「立体の方が生きるお話かも。」という一言で、
背景、登場キャラクター、小物を
すべて立体物で制作することにしました。

まずは大きな画材屋さんへ行って
各階で材料を検討することから始めました。
もともと編み物、洋裁など小さな物作りが好きだったので、
それはそれは楽しい時間。

実は後で聞いた話によると、助言してくださったご本人は、
色紙等を重ねて作る半立体のような画面を
イメージしていたそうです。
実際、後日粘土で作った人形や家などを持参して
会議室のテーブルに広げた時は、とても驚かれました。

でもそのときいただいたその一言が、
立体を使う写真絵本を制作するきっかけとなり、
大変思い出深いデビュー作となりました。

posted by suzumikawamura at 10:00| 絵本あれこれ | 更新情報をチェックする

2015年08月26日

すみれさんと雨 13

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「さあ、お客さん。そろそろ雨がやむ前に戻らないと、
 帰れなくなりますよ。私にはこれがありますけど、
 あいにく一人用で送ってさしあげられませんので。」
仕立て屋さんは、またさっきの電気自動車を指差すと、
ちょっと申し訳なさそうに言いました。

「また、糸のような雨が降る日には、ここにおります。
 ご注文いただけるようになりましたら、
 その時は一番にお仕立ていたしますね。」
「あら、こちらこそお忙しいところ
 おじゃましました。それじゃあ、また。」

仕立て屋さんは、またドレスの仕上げにとりかかりました。
すみれさんは、くるくるとまわる糸車を後に、
急いで引き返すことにしました。

〜つづく
posted by suzumikawamura at 08:59| お話 すみれさんと雨 16話 | 更新情報をチェックする

2015年08月13日

すみれさんと雨 12

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「私も一度くらい、そんなすてきなドレスを着てみたいなあ。
 でも、しょうがないわね、予約で一杯なら。」
「せっかく来ていただいたのに、すみません。
 そうだ、こちらはサービスです。どうぞお持ち下さい。」

仕立て屋さんはそう言うと、たくさんの布地の入った箱の中から
きれいにたたまれた布を一枚取り出しました。
広げてみると、虹のドレスの端切れで作られた
七色に輝くスカーフでした。

「すてきなスカーフ。」
肩にまわして結んでみると、胸元がひんやりしました。

〜つづく
(このお話は16話完結です)
posted by suzumikawamura at 10:37| お話 すみれさんと雨 16話 | 更新情報をチェックする