2017年07月29日

「人形や珈琲店」第6話

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よく見ると、灯りとりの小窓には
人形の絵が描かれているマッチ箱が、
兵隊のように一列に並んで続いています。
マッチ箱の兵隊がとぎれて、
ランプのともる二階の部屋に着きました。

灯りが揺れると、
それほど広くない部屋の角には、
いくつもの人形の影が、
こちらを笑っているように揺れています。

部屋の中央におかれている
大きなガラスケースの中には、
昔話の登場人物が並んで眠っていました。
正面には、ほうきにのった
かぎ鼻の魔法使いが細い糸で釣られています。
その隣には、大きな鎧の人形がヤリを右手に
こちらを睨んでいます。
部屋にいるのは人形だけでした。

「ランプの火がゆらいで、人影に見えたのか。」
とむさんは、鎧の人形を横目でみながら、
自分に言い聞かせるようにつぶやきました。

〜つづく
(6/10)
ラベル:絵本
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2017年07月26日

「人形や珈琲店」第5話

人形や珈琲展 25.jpg

「あついコーヒーを一杯もらおうかな。
 ところで二階はどうなっているの?」
「上は、操り人形のコレクションです。」
「へえ、おもしろそうだね。」
「はい。お客さんは絵描きさんですか。」
男の人は、カウンターの中から
とむさんのスケッチブックを見ながらいいました。

「それなら、うちの人形達を描いてやってくださいよ。」
「いいんですか?じゃあ、さっそくみせてもらうかな。」
「どうぞどうぞ。コーヒーが入る間に見ていらしてください。」
男の人は小さくうなづきながら
お湯のポットをゆらゆらと揺らしています。

階段の下から見上げると、ランプのあかりの中、
いくつかの人影が動いているのがみえました。
(他にもお客さんがいるのかな。)

木で出来ている階段は、一足ごとにきしむ音が響きます。
キイ、ギシ……。
足元の壁に沿って、古めかしいよそ行きの洋服を着た
たくさんの人形達が、行儀良くならんで
こちらを見つめていました。

〜つづく
(5/10)
ラベル:絵本
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2017年07月23日

「人形や珈琲店」粘土の人形制作

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とむさん

手に持っているスケッチブックは
薄く伸ばした粘土に白い針金を巻いています。

人形や珈琲店 23-2.jpg

人形や珈琲店 店主

怪しげといえば紫のイメージ。
でも顔は笑顔で。

粘土はとても柔らかいものなので、
全体を変えようと力を入れて掴んでしまうと
そのまま変形してしまい、
なかなか納得がいく形に出来上がりません。
これは一旦固まってしまった方が
じっくり形を整えられると考えました。
このことがあって、
数年後、絵本制作で立体を検討した時には
素材は他のもので制作しようと思いました。
ラベル:絵本
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