2020年04月28日

お話 ぼくのさんぽ9

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じんわりととけて、
またキラキラと降ってくる。
「雪だ!な〜んだ雪か。
 どおりで寒いと思った。」

細くあいたベランダから、
冷たい雪がしんしんと
吹き込んでくる。
ぼくは、ごろりと横になって
うとうとしていたらしい。

「あら、やあだ。今日、
 降るっていったっけ?天気予報。」
うっかり洗濯物をぬらしてしまった
お母さんは、ぼくの返事を聞く前に、
ベランダの戸をカラカラと開けて
慌ててサンダルをはいている。

そのとき、見覚えのある
丸い頭が塀の向こうにみえた。
いつもの男の人が
こちらをみて笑っている。
posted by suzumikawamura at 17:57| お話 ぼくのさんぽ 10話 | 更新情報をチェックする

2020年04月25日

お話 ぼくのさんぽ8

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光はつかまえようとすると、
すっと消える。
よく見ると上から次々と
落ちてきているようだ。

「きれいだな。」
ぼくは、その不思議な
光の正体を知りたくなった。
八本の足を伸ばして、縮めて、
スイー、スイー。
「はは、わりと上手く
 泳げるじゃないか。」

頭の上へ小さな光が
どんどん押し寄せてきた。
「う〜ん、まぶしい。」
思わず目をつぶると、
ヒヤリ。

「うほっ。」
鼻の頭に冷たい物が落ちてきた。
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2020年04月22日

お話 ぼくのさんぽ7

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「あーあ、ツルツル頭なんて、
 誰かに見られたらかっこ悪いや。」
まるい頭をかきながら、
あたりを見回すと、
ゆれるワカメのむこうにも一つ、
まるい頭をみつけた。

細長い八本足には吸盤がついている。
「うわあ、ほんもののタコだ!」
(ぼくも、タコだけど。)
ぼくには気づいていないようだ。
あちらのタコは、黒くて四角い鞄を
大事そうにかかえて泳いでいる。

くねくねと器用に動く細い手を
頭の上へのばしながら、
白いハンカチのような光を
追っかけていた。
「なんだろう。くらげかな。」
posted by suzumikawamura at 10:19| お話 ぼくのさんぽ 10話 | 更新情報をチェックする