2020年04月18日

お話 ぼくのさんぽ6

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お隣の庭に植えられていた
椿の木が踊っている。
近づいていくと、それは椿じゃなくて、
波にゆれているワカメだった。

ぼくのすぐ側を見たこともない
色鮮やかな魚が
群れをなして泳いでいった。
ぼくは、タコになって海の底にいた。
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2020年04月14日

お話 ぼくのさんぽ5

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足をさわろうとして、
また驚いた。
たくさんある手の
どれを出していいのか
迷ったのだ。

「うわ!」
びっくりして、頭を押さえると
つるりと手がすべった。
うん、まちがいない。
ぼくは、タコになっている。

「なんで?どうして?」
ぼくは頭がくらくらした。
でもそれも長くは続かなかった。
だって、タコだもん。
悩んでいるタコなんて
聞いた事が無い。

その時まわりの景色が、
ゆらゆらと揺れ出した。
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2020年04月11日

お話 ぼくのさんぽ4

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「うーん。えい!」
背中と頭にぎゅうっと力を入れて、
体を思い切り外へ伸ばしてみた。
そのとき、手足が急にのびた気がして、
ぐんっとドアが開いた。

(やったあ、ふう。)
朝のひんやりした空気の中に立って、
一つ深呼吸。
冷たい風が、ぷうっと
ぼくのおでこをなでていった。
(へんだな)
朝独特の良いにおい
がする時間なのだけど。

それに、いつもなら
だれか走る音やおしゃべりする声が
聞こえる時間なのに、
今日は不思議とシンと静かだ。

「ふーむ。まずは、
 駅の方へ行ってみよう。」
ぼくは右足を一歩、前に出して驚いた。
なんと、自分の足に丸い吸盤が
たくさん並んでいるのが見えた。
「ん?なんだこれ。」
posted by suzumikawamura at 14:27| お話 ぼくのさんぽ 10話 | 更新情報をチェックする