2020年05月01日

お話 ぼくのさんぽ10 最終話

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脇にはうすっぺらい四角い鞄を
かかえている。
ときどき吹く風のせいで、丸い頭が
いつもよりいちだんと寒そうだ。

男の人は、赤いほっぺたを
ふくらませて、
くちびるをとがらせると、
「よ〜し、よし。ピュッ。」
と口笛を吹いた。
(うわ、タコそっくり)

「雪がやんだら、
 お散歩にいきましょうね。」
洗濯物を両手に抱えたお母さんは、
こう言ってぼくの顔をのぞき込んだ。
でもぼくはがまんできずに、
開いたベランダから庭にでて、
雪の中をかけまわった。

つもった雪をかいて穴をほり、
冷たい雪の上をごろごろと転がった。
そして毛についたかたまりを
ブルッと吹き飛ばした。

しっぽでバランスをとりながら、
降る雪に向かってジャンプ。
「ああ、やっぱり犬が一番!」
posted by suzumikawamura at 18:32| お話 ぼくのさんぽ 10話 | 更新情報をチェックする