2015年12月09日

ビスケットのお礼 4

あさちゃんは一枚残ったビスケットを、
半分ずつわけてあげました。
「でも困ったな。
 私、家に帰る道がわからないんだ。
 あなたたち道をしってる?」

すると二人は、
「もちろん。この辺は
 自分ちの庭みたいなものだから、ね!」
「ね!」
と、顔を見合わせました。
そして、
「さあ、こっちへきて」
というと、素早い動きでへいの下をくぐり、
ぱたぱたとかけ出しました。

「まってよ」
あさちゃんは、少し遅れながら
あわてて追いかけました。

夢中でどんどん進んで行くと、
低い木にからまったツルの中に、
薄紫色の花が揺れているのが見えました。

時計草のある最初の場所にもどってきたようです。
そのとき、目の前にいたはずの二人が
みえなくなってしまいました。
「うそ、おいてかれちゃった?」

〜つづく
posted by suzumikawamura at 09:34| お話 ビスケットのお礼 6話 | 更新情報をチェックする