目の前の本棚の隙間からは、
ソーダ水をもった手が
今にもにょきにょきとでてきそうです。
(こわいけど、どうなったか気になる…)
「ふう」
ことちゃんは大きな深呼吸を一つしたあと、
落ちた本を拾って立ち上がりました。
そして今度は一冊分広くなった隙間を
そっとのぞいてみました。
するとそこには、海も船もありません。
一面砂でおおわれた砂漠がみえます。
暗い空には見た事も無い
赤く光る月が浮かんでいました。
と、砂の上にぽたぽたとしずくがおちてきました。
ソーダ水のような緑色でも、
甘い香りでもありません。
砂漠に雨が降り出したようです
〜つづく(8/12)
2015年12月29日
海の底でのむソーダ水 8
posted by suzumikawamura at 10:23| お話 海のソーダ水 12話
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