2020年04月28日

お話 ぼくのさんぽ9

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じんわりととけて、
またキラキラと降ってくる。
「雪だ!な〜んだ雪か。
 どおりで寒いと思った。」

細くあいたベランダから、
冷たい雪がしんしんと
吹き込んでくる。
ぼくは、ごろりと横になって
うとうとしていたらしい。

「あら、やあだ。今日、
 降るっていったっけ?天気予報。」
うっかり洗濯物をぬらしてしまった
お母さんは、ぼくの返事を聞く前に、
ベランダの戸をカラカラと開けて
慌ててサンダルをはいている。

そのとき、見覚えのある
丸い頭が塀の向こうにみえた。
いつもの男の人が
こちらをみて笑っている。
posted by suzumikawamura at 17:57| お話 ぼくのさんぽ 10話 | 更新情報をチェックする