2015年07月10日

すみれさんと雨 4

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「みー、ちょっと見にいってみようか。
 雨もそれほどひどくないし。」

急いで外に出てみると、やはりだれもいません。
街路樹に囲まれて少し薄暗くなった道に、
ぽつんぽつんと小さな水たまりがいくつもみえました。
「ここらへんだったかなあ。」

すみれさんは、男の人がみえなくなったあたりを
落とし物をさがすみたいに、目をこらしてみつめました。
すると、目の前の丸い水たまりにキラキラ光る物が見えました。
(?)

〜つづく
posted by suzumikawamura at 08:17| お話 すみれさんと雨 16話 | 更新情報をチェックする

2015年07月05日

すみれさんと雨 3

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パシャ、すすすい。
そしてそのまま水たまりの中へ、
足もとから静かに吸い込まれていきました。
「ええ?何、どこにいっちゃったの!」

窓ガラスにおでこをぶつけそうになるくらい
顔を近づけても何も見えません。
「たしかにさっきまで、そこにいたのに。」

すみれさんは、窓の外で何がおこったのか
不思議でなりませんでした。

〜つづく
posted by suzumikawamura at 13:52| お話 すみれさんと雨 16話 | 更新情報をチェックする

2015年07月04日

すみれさんと雨 2

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「あらら、どうかした?」
すみれさんは椅子から立ち上がり、
雨の流れるガラス窓を見つめました。

すると、男の人がひとり、傘をささずに歩いています。
派手な赤いベストにチェックのズボンをはいて、
街路樹が並ぶ細い通りをすすんでいきます。
「見かけない顔ねえ。」

踊るような足取りがピタリと止まると、
男の人は空を見上げ(うん)とひとつうなづきました。
そしてポケットから、なにやら小さな光る物を取り出し、
目の前の水たまりにちゃぷと落としました。
(こんな雨の中、いったい何してるのかしら。)

次に男の人はにっと笑うと、
その丸い水たまりの上へ、ぴょんっとジャンプしました。

〜つづく
posted by suzumikawamura at 10:30| お話 すみれさんと雨 16話 | 更新情報をチェックする