2015年12月30日

海の底でのむソーダ水 9

ギ、ギ、ポタリ。
音のする方を見ると、
小さな箱がいくつも重なったような
四角い機械から、水が
ポタポタあふれだしています。

(はっ、あれは雨じゃないよ。
 泣き虫ロボットの涙だ!)
友達が欲しくていつも泣いている
『泣き虫ロボット宇宙へ行く』のロボットです。

〜つづく(9/12)
posted by suzumikawamura at 14:36| お話 海のソーダ水 12話 | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

海の底でのむソーダ水 8

目の前の本棚の隙間からは、
ソーダ水をもった手が
今にもにょきにょきとでてきそうです。

(こわいけど、どうなったか気になる…)
「ふう」
ことちゃんは大きな深呼吸を一つしたあと、
落ちた本を拾って立ち上がりました。

そして今度は一冊分広くなった隙間を
そっとのぞいてみました。
するとそこには、海も船もありません。
一面砂でおおわれた砂漠がみえます。

暗い空には見た事も無い
赤く光る月が浮かんでいました。
と、砂の上にぽたぽたとしずくがおちてきました。

ソーダ水のような緑色でも、
甘い香りでもありません。
砂漠に雨が降り出したようです

〜つづく(8/12)
posted by suzumikawamura at 10:23| お話 海のソーダ水 12話 | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

海の底でのむソーダ水 7

船長は大慌てでグラスを放り投げると、
奥に見える扉にむかって走り出しました。
「おおい、船が沈むぞ。みんな、にげろ〜」

あふれる緑色の波が
潜水艦の床をうねりだしました。
(ひゃああ)
あわてて、とんと飛び上がったことちゃんは、
よろけて後ろに座り込みました。

しりもちをついたことちゃんの横に、
本棚に並んでいた9冊目の本が
ばさりと落ちました。
ここはいつもの図書館の中。
児童書コーナーには、
他に人がいなくてしんと静かなままです。

ぽうっと熱くなったほっぺたを
両手ではさみ、ぎゅっとおさえると、
ことちゃんの手のひらから、ふんわり
メロンソーダの香りがしました。

〜つづく(7/12)

posted by suzumikawamura at 09:17| お話 海のソーダ水 12話 | 更新情報をチェックする