2016年01月18日

行きたいところに行ける地図 6

他にも、壁際に並んだガラスケースには、
(月夜に呪文を唱えると、願いが叶います
 …『月灯りのうさぎ人形』)や、

(羽音がひびきだす真夜中、
 あなたもおしゃべりができます
 …『花壇の上で踊る妖精の写真』)という額縁、

(灯をともすと、沈んだ気持ちも
 あたたかくなります
 …『太陽の砂のランプ』)
等、様々な品物が並んでいます。

「よしよし。暗くなったら仕事だ」
男は地図をまるめて
ポケットにねじ込むと、
鼻歌を歌いながら歩き出しました。

〜つづく(6/15)
posted by suzumikawamura at 18:29| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする

2016年01月15日

行きたいところに行ける地図 5

男の手の中の宝の地図は、あっという間に
ただの古ぼけた布に変わりました。
「ほう、この店がそうだというんだな」
ショーウィンドーには
桃色に光る石がついた
銀のアクセサリーが飾られています。

商品説明には
(夜になるとキラキラまたたく〜
 『星の子の髪飾り』)
と書いてあります。
店の中には、まだまだ不思議な物が
たくさんありました。

奥の棚のラベルには
(雨を七色の糸に変えます〜
 『冷たい雲の粒』)や、
(のぞくと竜宮城がうつります〜
 『海の雨をあつめた瓶詰め』)
などがありました。

〜つづく(5/15)
posted by suzumikawamura at 14:54| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする

2016年01月13日

行きたいところに行ける地図 4

男は地図をポケットにねじこみ、
急いで屋敷から抜け出しました。
森を抜け、背の高い草がはえた
川沿いを歩き続けました。
そして今、
ようやくたどりついたのがこの町です。

いったん広げた地図を
またポケットにねじこみ
地図の指す通りに進むと、
やがてにぎやかな商店街へ
たどりつきました。

商店街の一番外れにある雑貨店。
看板には『星の子や』とあります。

店の前についたとたん、
『宝の地図』に書かれた図形と文字が
くにゃりとゆがんで見えました。
文字はそのまま中心の円に吸い込まれ、
ぐるぐると巻き取られていきました。

〜つづく(4/15)
posted by suzumikawamura at 09:46| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする