2016年01月11日

行きたいところに行ける地図 3

広げてみると真ん中に一つ
円が描かれています。
黒い線でかかれたそのまるは、ちょうど
大人のにぎりこぶし程の大きさでした。

裏返すと、そこには
『行きたいところに行ける地図〜まるの中に望みを』
と書いてあります。

「行きたいところか……よし」
男は試しにまるの中に
『宝がいっぱい』と書きました。

「お、なんだなんだ」
布の上で、灰色の砂が風に舞うように
ぐるぐると何かが動き出しました。
そしてしばらくすると、文字と模様が
くっきりと浮かび上がってきました。

それはどこか小さな町の地図でした。
「やったぞ。こりゃあ、本物だ」

〜つづく(3/15)
posted by suzumikawamura at 16:02| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

行きたいところに行ける地図 2

このヒゲ男は宝をさがして
旅する泥棒でした。

ある日、男は森に囲まれた
大きな洋館にしのびこみました。
建物は古く、もう誰も住んでいない様子でした。
置いてある家具はほこりまみれで、
特に高価そうなものや
珍しいものも見当たりません。

「ちっ、ここは何もなしか」
あきらめたかけたとき、
一階の廊下の奥に地下へと続く階段をみつけたのです。
狭い階段をおりると地下室があり、
そこには大きな金庫がおいてありました。

そして苦心して開けた大金庫の中には、
たった一枚の古い布がまるめてありました。
「このボロっ切れ、なんだろう」

〜つづく(2/15)
posted by suzumikawamura at 11:01| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

行きたいところに行ける地図 1 全15話

男は古ぼけた地図を逆さにし、
日に透かしてみては首をかしげました。
そろそろ日も暮れる頃、
さっきまでにぎやかだった公園も
今はもうこども達の姿はありません。

「やっぱり、ここらへんだな。
 こんな街中に本当に宝があるんだろうか」
地図には確かに
この町の様子が書かれていました。
公園の右手にはお寺。
そしてお菓子屋さんが並んでいます。

男の持っている地図の中心には、
手書きの『宝がいっぱい』という文字。
地図の裏には
『行きたいところに行ける地図』と書いてありました。

男は自慢の長いあごヒゲをなでながら、
芝生の上にもう一度地図を広げて
腕組みをしました。

〜つづく(1/15)

posted by suzumikawamura at 08:43| お話 行きたい地図 15話 | 更新情報をチェックする