2017年07月26日

「人形や珈琲店」第5話

人形や珈琲展 25.jpg

「あついコーヒーを一杯もらおうかな。
 ところで二階はどうなっているの?」
「上は、操り人形のコレクションです。」
「へえ、おもしろそうだね。」
「はい。お客さんは絵描きさんですか。」
男の人は、カウンターの中から
とむさんのスケッチブックを見ながらいいました。

「それなら、うちの人形達を描いてやってくださいよ。」
「いいんですか?じゃあ、さっそくみせてもらうかな。」
「どうぞどうぞ。コーヒーが入る間に見ていらしてください。」
男の人は小さくうなづきながら
お湯のポットをゆらゆらと揺らしています。

階段の下から見上げると、ランプのあかりの中、
いくつかの人影が動いているのがみえました。
(他にもお客さんがいるのかな。)

木で出来ている階段は、一足ごとにきしむ音が響きます。
キイ、ギシ……。
足元の壁に沿って、古めかしいよそ行きの洋服を着た
たくさんの人形達が、行儀良くならんで
こちらを見つめていました。

〜つづく
(5/10)
ラベル:絵本
posted by suzumikawamura at 09:00| お話 人形や珈琲店 10話 | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

「人形や珈琲店」粘土の人形制作

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とむさん

手に持っているスケッチブックは
薄く伸ばした粘土に白い針金を巻いています。

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人形や珈琲店 店主

怪しげといえば紫のイメージ。
でも顔は笑顔で。

粘土はとても柔らかいものなので、
全体を変えようと力を入れて掴んでしまうと
そのまま変形してしまい、
なかなか納得がいく形に出来上がりません。
これは一旦固まってしまった方が
じっくり形を整えられると考えました。
このことがあって、
数年後、絵本制作で立体を検討した時には
素材は他のもので制作しようと思いました。
ラベル:絵本
posted by suzumikawamura at 22:02| お話 人形や珈琲店 10話 | 更新情報をチェックする

2017年07月22日

「人形や珈琲店」第4話

人形や珈琲展4.jpg

男の人は、まるでとむさんが来るのを
知っていたかのように、
にっこりうなずいています。
「あの、コーヒーの良い香りがしたので……。」
「はい。一階はコーヒー専門店でございます。」
「ならちょうどいい。
 一休みさせてもらおうかな。」

カウンターだけの狭いお店は、
ちいさな椅子が5つあるだけでした。
あちらこちらに古いランプがおかれ、
分厚い外国の本が並んでいます。

壁には、動いているのが
不思議なくらいの古い柱時計。
外からぼんやりと見えた灯りは、
窓ガラスに映るランプの光でした。
お店の奥には、二階へ続く
細い階段がみえました。

〜つづく
(4/10)
ラベル:絵本
posted by suzumikawamura at 00:00| お話 人形や珈琲店 10話 | 更新情報をチェックする