2017年07月12日

「人形や珈琲店」第1話

人形や珈琲展 n-1.jpg

とむさんは、町に一人で住んでいる絵描きさんです。
晴れた日には、スケッチブックを片手に、
近所へ散歩に出かけます。
すると、いつも
(これはすてきな絵になりそうだぞ)
と思う景色がかならず見つかりました。
うす緑色のもやがかかって見える遠くの山や、
透き通るくらい真っ青な空……。

ここ何日も、とむさんは散歩に出かけていません。
ずっと雨が続いているからです。
「今日は何を描こうかな。う〜ん。思いつかない。
 そうだ、たまには雨の中を散歩に行こう。
 何か見つかるかもしれない。」

バス通りを通って近所の喫茶店で珈琲を一杯。
その後、公園をまわって帰ってくるのが
だいたいの散歩コースです。
とむさんは鉛筆を一本ポケットにいれると、
小さめのスケッチブックをかかえて、
雨の散歩へ出かけました。

〜つづく
(1/10)

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今日からまたひとつお話をはじめます。
雨の日の「すこし、ふしぎ」の
小さなお話で、全10話です。

私は大人になってから、遊園地の絶叫マシーンと
怖い映画を避けてきました。恐がりなのと、
寝る前にみた映像は高確率で夢に見るタイプだからです。
でも、ちょっと不思議なものって
なぜだかひかれますよね……。
posted by suzumikawamura at 11:49| お話 人形や珈琲店 10話 | 更新情報をチェックする