お話「おつきさまのうた」２

せーの、ジャンプ！
パシャ、バッシャン。
みずたまりに
ジャンプするたび、
ふーちゃんのたばねた癖毛が
ウサギのようにはねます。

〜ポロロン、ピン、ポロロン〜
ふーちゃんのほっぺたを、
すうっとひんやりした風がとおり、
あたりにふしぎな音がひびきました。

〜ポロロン、ピン、ポロロン〜
「なんだろ？」
足元をみると、
ぽさぽさとはえた細い草に
何か引っかかっているようです。

お知らせ

さて、今週から
ひとつ小さなお話をはじめました。
「おつきさまのうた」全１5回です。

このブログの中のお話は、
ほとんどが以前所属していた
児童文学の集まりで書いていた物です。
書きためた作品を掲載した同人誌も、
仲間と一緒に数冊制作しました。

その頃は、絵本と童話
別々のグループで勉強会をして、
とにかく毎日かいていたので、
特に発表していない小さなお話が
まだいくつか残っていますが、
これはその中の一つです。

お話「おつきさまのうた」１

雨がやんで、道の上には
小さな水たまりが
ぽつんぽつんとできていました。
「あめ、やんだ！」
窓から外を見ていたふーちゃんは、
お散歩にでかけることにしました。
お気に入りの赤い長靴をはいて、
「しゅっぱーつ！」