冒険シリーズ10冊目の本。
「はい。どうぞ」
「あ、ありがとう」
丈夫な厚紙の表紙には
金色の縁取りがされていて、
表面はつやつやと淡い緑色に
かがやいていました。
まるで、船長が手に持っていた
ソーダ水のようです。
題名は『本棚の奥のヒミツ』
「よし、今日はこれを借りて帰ろうっと」
ことちゃんは本を抱えると、
急いで貸し出しカウンターへ向かいました。
〜おわり
::::::::::::::::::::
『海の底でのむソーダ水』はこれでおわりです。
短いお話なので、それぞれの本の主人公達とは
登場してすぐにお別れで、さみしい
という感想をいただきました。
ありがとうございます。
今作品中の船長はこの後、
命からがら逃げ出すことができました。
という事で次からは、船をおりた船長が
それでもこりずに宝探しの旅をするお話、
『行きたいところに行ける地図 全15話』です。
2016年01月04日
海の底でのむソーダ水 12 最終話
posted by suzumikawamura at 12:57| お話 海のソーダ水 12
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2016年01月02日
海の底でのむソーダ水 11
ふりかえると、奥の部屋のドアが開いた音でした。
ちょうどおはなしの時間が終わって、
部屋から大勢のこども達が
おしゃべりをしながら出てきました。
ことちゃんは、急いでもう一度
すきまをのぞいてみました。
でも今度は茶色の木の壁が見えるだけ。
(ああ、どうなっちゃったのかな)
それから何度見直し見ても、
いつもの見慣れた本棚です。
ことちゃんはがっかり。
手に持っていた本を
そっと棚にもどしました。
最後におはなし部屋からでてきたお姉さんが、
本棚を見つめている
ことちゃんに気がついて言いました。
「あらこれ、探してた?
今日のおはなしの本だったのよ」
〜つづく(11/12)
次回12話でこの話は終わります
ちょうどおはなしの時間が終わって、
部屋から大勢のこども達が
おしゃべりをしながら出てきました。
ことちゃんは、急いでもう一度
すきまをのぞいてみました。
でも今度は茶色の木の壁が見えるだけ。
(ああ、どうなっちゃったのかな)
それから何度見直し見ても、
いつもの見慣れた本棚です。
ことちゃんはがっかり。
手に持っていた本を
そっと棚にもどしました。
最後におはなし部屋からでてきたお姉さんが、
本棚を見つめている
ことちゃんに気がついて言いました。
「あらこれ、探してた?
今日のおはなしの本だったのよ」
〜つづく(11/12)
次回12話でこの話は終わります
posted by suzumikawamura at 17:55| お話 海のソーダ水 12
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2016年01月01日
海の底でのむソーダ水 10
細いじゃばらの手と足は、
風が吹くたびにゆれて
ふるえています。
積み木が縦に並んだような
鉛色の体からは、機械が
きしむ音が聞こえました。
ギ、ギ、ポタリ。
(ああ、泣いちゃダメだよ。
体がさびちゃう!)
「だれ?だれかそこにいるの?」
ロボットは涙でにじんだ
電球の目玉を、うれしそうに
ピカピカさせました。
そのとき、ことちゃんの後ろで
パタンという音がしました。
〜つづく(10/12)
風が吹くたびにゆれて
ふるえています。
積み木が縦に並んだような
鉛色の体からは、機械が
きしむ音が聞こえました。
ギ、ギ、ポタリ。
(ああ、泣いちゃダメだよ。
体がさびちゃう!)
「だれ?だれかそこにいるの?」
ロボットは涙でにじんだ
電球の目玉を、うれしそうに
ピカピカさせました。
そのとき、ことちゃんの後ろで
パタンという音がしました。
〜つづく(10/12)
posted by suzumikawamura at 14:48| お話 海のソーダ水 12
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